最終更新:2026年7月

こんにちは。交通事故医療情報協会の橋本弥生です。交通事故後、整形外科や保険会社へ連絡した際に、「整骨院への通院は認めません」「整骨院に通うなら一括対応はできません」と言われ、どうすればいいかわからない…というご相談を受けることがあります。
※一括対応とは:加害者側の保険会社が、あなたに代わって医療費・施術費を医療機関へ直接支払ってくれる対応のことです。
「整骨院に通ってはいけないの?」「このまま泣き寝入りするしかないの?」と不安になっている方に、知っておいていただきたいことをまとめました。
「整骨院に通ってはいけない」と言われても、強制はできません
まず知っておいていただきたいのは、どこで治療・施術を受けるかは、あなた自身が決められるということです。保険会社や整形外科の医師から「整骨院はダメ」と言われたとしても、法律上、通院先を強制されるものではありません。実際に、整形外科にも通いながら、整骨院でも施術を受けているという方は多くいらっしゃいます。
ただし、「通える権利がある」と「費用が支払われる」は別の話です。ここが、トラブルになりやすいポイントです(保険会社に「整骨院なら治療費は払わない」と言われた場合の対処は「「整骨院に行くなら、治療費は払わない」と損害保険会社に言われたら」で詳しく解説しています)。
なぜ費用の支払いでもめるの?
交通事故の治療費は、基本的に加害者側の保険会社が負担します。ただし保険会社は、医師の意見を重視して支払いの判断をする傾向があります。そのため、次のような状況では支払いのトラブルが起きやすくなります。
- 担当医師が整骨院通院に否定的な意見を持っている
- 整形外科にほとんど通わず、整骨院だけに通っている
- 整形外科への受診間隔が長く空いている
こうした状況では、「一括対応を打ち切られる」「整骨院の施術費を支払ってもらえない」「通院日数が多すぎると指摘される」といったことが起きやすくなります。
こんなときはどうすればいい?
① 整形外科への通院は続けましょう
整骨院に通いながらでも、整形外科への定期受診は続けることが大切です。画像検査や診断書の作成は医師にしかできません。整形外科への受診が途切れると、「症状が軽快している」「治療の必要性がない」と判断される材料になってしまうことがあります。目安として、少なくとも月に1回程度は整形外科を受診しておくことが望ましいとされています。ただし症状や状況によって異なりますので、担当の医師や専門家にご確認ください。併院の進め方は「事故に遭ったのだけど病院より整骨院に通いたいのですが」もご覧ください。
② 整骨院にも通いたい理由を、きちんと伝えましょう
「整形外科の予約がなかなか取れない」「仕事の都合で夜しか通えない」「子育て中で日中の通院が難しい」など、現実的な事情があって整骨院を利用したい方も多いはずです。そういった背景を、担当医師や保険会社に丁寧に伝えることで、理解が得られる場合もあります。
③ 担当医師との相性が悪ければ、転院も選択肢のひとつです
交通事故治療の経験が豊富な整形外科の医師であれば、整骨院との併用についても柔軟に対応してくれることがあります。「今の病院では話を聞いてもらえない」と感じたら、転院を検討してみることも一つの手です。
④ 一人で抱え込まず、早めに相談を
保険会社からの連絡への対応、慰謝料の計算、後遺症の申請など、交通事故後の手続きは複雑で、知識がないと不利になってしまうことも少なくありません。「何から手をつければいいかわからない」「保険会社の言っていることが正しいのか判断できない」という場合は、交通事故に詳しい弁護士や専門機関へ早めに相談することをおすすめします(「交通事故にあったら・・・遠慮せず弁護士に相談しましょう!」参照)。
まとめ
「整骨院に通えない」と言われても、それは強制ではありません。ただし、費用をきちんと支払ってもらうためには、整形外科との連携や通院状況の管理が重要になります。万が一、一括対応を打ち切られた場合でも、自賠責保険を患者様自身で請求する方法(「被害者請求」)もあります。
交通事故後の対応は、知っているかどうかで結果が大きく変わることがあります。不安なことがあれば、一人で悩まず、専門家に相談することを検討してみてください。交通事故医療情報協会では、交通事故でお困りの方に向けた情報を発信しています。交通事故治療の全体の流れは交通事故治療ガイドにまとめています。







